「ガッファ!!ガッファ!!」
【ドスン!ドスン!】
その図太い巨腕をブルンブルン振り回しながら、JAは龍一の元へと突進してくる。
(やばい!‥どうする‥?どうする!?)
「ガァァァァ!!」
戸惑っている内に、JAは数メートル先まで近づいて来た。筋肉隆々な腕をおおきく振り上げている。
「避けるしかねぇ!!」
【ダンッ!】
龍一は、右へと跳んだ。
「ガフッ!」
【ドゴォォンッ!!!】
右へと跳んだ瞬間、龍一がいた辺りの壁が、爆発したかのような音をたてた。
「うぇぇ‥!」
「ガフォッ‥?」
JAが拳を上げると、壁が跡形もなく粉々になっていた。鉄製の扉でさえ、くしゃくしゃにひしゃげている。
「ガフー‥‥?」
JAはまた、キョロキョロと首を振り始めた。
「うわ‥うわぁ‥!」
そして、尻餅をついている龍一に『口』を向けた。
「‥‥ガッフォ!!」
「く、来るなぁ!!!」
龍一はJAに背を向け走りだした。
が‥‥‥
【ビキッ!】
「あうっ‥‥!」
走りだして二、三歩目で突然身体に異変が起き、龍一はその場に膝をついてしまった。
(痛‥!なんだ!?‥‥間接がいてぇ‥身体が‥しびれる‥!)
龍一の手足は、何故か思うように動かなかった。
「ガフッ」
【ズン‥】
その間に、JAは龍一の背後にぬうっと姿を表した。
拳を振り上げている。
「う‥‥嘘だろ‥?」