絶望か希望か

和谷 花月  2005-03-17投稿
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ビルの上には強い風が吹いていた。季節は秋…肌寒くなってきたこの季節はどんな人の気持を現しているだろう…
そんなことを思わせるような季節が秋…
ビルの上には一人の男がいた。絶望か希望か…それは一人一人の気持の考え方によって違う…しかし彼にとっては絶望の季節になるだろう…
一人で入れば絶望に…友と一緒ならば希望に…


ビルの上からは錆びれかけた町が見える。町の殆んどの建物は崩壊してとても人の住める状態ではなくなっている。それでも高いビルからは遠くの街が見える。建物は綺麗に立っている。この町の回りの全ての街はどこも綺麗で…この町だけが錆びれている。そしてこのビルも…
「もう…いいや。何もかも…疲れちゃった…」
ビルの上にいる彼は静かに呟いた。たとえ回りに人がいても聞き取れないくらいに小さな声で呟いた。
「…空…飛びたい…。ここから飛べばきっと空を飛べるよね…大丈夫…僕は飛べる…」
自分にいい聞かせると彼は飛び下りた。ビルの上から大丈夫と呟きながら。
鈍い音とともに固いコンクリートにぶつかった。あの高いビルから落ちれば人は死ぬだろう。しきし彼は死にはしなかった。ただ頭を強く打ち血が流れてはいるが。そのまま誰にも見つからずに横たわっていれは彼は必ず死ぬだろう。誰かが見つけてくれない限りは。「誰かいるのか?」



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