第6ディメット暦187年14月03日
〜農業の街 エルゲック〜
「やはり………行かれるのですか?」
「ええ。リオン達は僕の大切な仲間です。
彼らが行くのであれば僕も付いて行きます。」
「分かりました。エルク様がデクロス王国に入国する事はエルク様の御父君にお知らせします。」
「お願いします、エンドレ少将。」
「はっ! 皆、エルク・アインハルト様に敬礼!!」
『ザッ!!!』
「道中お気をつけください。」
「わかりました。」
エンドレ少将と別れ、エルクはリオン達と合流します。
「じゃあ、サリュトスに向かいましょう。」
「サリュトスまでは特に山とか川とか無いよね?」
「エルゲック・サリュトス間の街道にこれといった障害はござらんぞ。」
「じゃぁ、さっさとサリュトスに行こうぜ。」
「さ〜んせ〜い。」
こうしてリオン一行はエルゲックを後にし、一路サリュトスに向かったのであった。
「まったく、グレンの奴め、自分は忙しいからと言ってこの儂に禅煌の暗殺を命じるとは………………フン、暗殺など面倒な事をせずともこの暗黒騎士が葬ってくれようぞ!!」
エルゲック・サリュトス間街道は最短の街道と呼ばれ、大人の足で1時間程でエルゲックかサリュトスにたどり着きます。
〜均衡を保つ街 サリュトス・ギューオレス側〜
「短けっ!!」
「小一時間で国境線まで辿り着いちゃうんだねぇ〜。」
「さ、早く国境を越えましょうぞ。」
「うん!!」
「いや、待ってくだされ。」
「えーっ!!何で!?」
『シャキン』
「な、何で刀抜いてんだよ……………」
『ヒュン! ドス!!』
突如禅煌の居た場所に巨大な鑓(やり)が垂直に突き刺さる。
「フン、大人しく我が鑓の錆になっておれば良かったものを……………」
「ウワァ!禅煌もどき!!」
「何故それがしもどきなんでござるか!」
「だってカルファ峠での登場の仕方とそっくりだもん!!」
「ハッ!!峠で奇襲か。山賊に落ちぶれていると言うグレンの報告に相違無いようだな、禅煌!!」
「グレンの次はお主か……………
Xerox剣士団四天王 暗黒騎士アストン・アームストロング!!!」
第15話『デクロス入国』続