｢あいちゃんどうしたの？泣いてるの？……そうだっ！僕、あいちゃんが泣かないようにおもしろいこといっぱい、いっぱい言うから。だから泣かないで。‐‐‐約束だよっ!!
夢をみた。幼い頃の夢だった。
午前７時、外は雨。最悪だ。お天気お姉さんに腹が立った。なんで今日も雨なの!?ってお姉さんが悪いわけでもないのに。いつものように身支度をして、私はさっそうと部屋を後にする。
いってらっしゃい！
今日も忙しい。きっと明日もその次も…。なんて考えるのはやめよう。
｢美咲、資料ここ置いとくよ｣と同期の吉田君。ありがとうっ！と私はニコリと笑みでかえす。帰りに飲みに行かないかと誘われたが、今日も残業になりそうだからと断った。私はよく誘われることが多い…特に男から。どうやら私は社内でも美人で人気!?があり、狙ってる男もいるとかいないとか(女性社員の話しによると) ははっ、勘弁してくれ。仕事で精一杯だっつーの。誰か私に愛(仕事)の手を!!
はー、終わった…。またこんな時間だよ、と私は会社を後にする。いつもの電車に乗った。窓に写る自分の顔は疲れた顔だった。あたし、ちゃんと笑えてるかな…？
｢俺、お前の笑った顔がすっげー好きだな。｣
夢をみた。短い、たった一言、あの時に言われた言葉、そんな夢だった。
今日は早く目が覚めた。ゆっくり身支度をすませた。こんなゆっくりした朝は久々だな。
そろそろ時間になり私は部屋を出る。と、玄関にある鏡に向かって私は、ニコリっと笑った。
いってらっしゃい！
[345] 
[0] 
[0]
