かずや「噂ってなに??」
かずやは、友人がいつもみたいにとんでもない嘘を言う。
そう思っていた。
「おぅ…噂なんだけどさ、」
かずや「なんだよ!」
「あのじいさん…昔人殺してるらしいよ。」
やっぱり思った通りだ。かずやは予想通り友人がデマを言ったことに対し軽く微笑んだ。
かずや「んなわきゃない!」
軽く流すかずや。すると友人は今まで下を向いていた顔をかずやの方に向けた。
「いやマジだって!!うちの親父が小さい頃なんかやったらしい…」
かずやは微笑みながらいった。
「そりゃないって!昔からパン屋だろ!なんでパン屋が人殺すんだよ。」
友人はそっと弁当を片づけだしながらこう言った。
「親父の同級生が、殺されたらしい。」
かずや「は…??マジで??」
かずやはウソと思いつつも、そう聞き返した。
「マジマジ!昨日親父がってか、前から酔っ払うと言ってたんだよ。」
友人は続けた。
「おれも初めは信じなかったさ、けどあまりに酔っ払う度に言うから一回聞いたんだよ。」
「ほんとに??って」
「そしたらさ、急に親父が泣き出して。。」
かずやにはウソのような演技に見えた。
かずや「わかった、わかったとりあえず授業始まるし教室戻ろうぜ!」
「…ああ」
友人はまだ話したかったみたいだ、かずやは気付いてはいたが立ち上がると、玄関に向かって歩いていった。
「おぃ…」
かずや「ん??」
かずやの歩いている後ろから友人が声をかける。
「じいさんの家行ってみない?!」
友人の言葉に合わせ、かずやは少しゆっくり歩いた。
少し興味がある。
かずやはそう思った。
「授業バックレて行って見ようぜ!」
かずや友人の方に振り向き親指を突き立てた。
かずや「おもしろそうだな!行こうぜ!」
「よっしゃ!かばんとってくる!」
そういうとダッシュで興味まで友人は戻っていった。
かずやは友人が来るまでの間おじいさんを観察していた。
いわばラーメンの屋台のパンバージョンで、いつもおじいさんはそのリヤカーを引いて歩いて自宅まで帰っている。
おじいさんは帰り支度を済ませるとゆっくりリヤカーを引いて歩き始めた。
「お〜い!お前のかばんこれだよな?」
友人が戻ってきた。
かずや「おぉサンキュー!おじいさん歩き始めたぞ!」
友人はすぐに後を付け始めた。