悲しき殺屋4

たつん  2006-11-10投稿
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かずやほこりっぽい部屋の隅々まで見渡している。


かずや「あっ、これ日記じゃない?」

かずやが見つけた本の背表紙には
1980.6〜1981.4といった具合に、年号が書かれた本がきれいに陳列されていた。
「あっ…」

友人が何かに気付いた。

「これ…殺した子供の仏壇じゃない??」

一瞬、一瞬だがかずやは全身に寒気が走った。

おそらくそうだと思ったからである。

学校で聞いた友人の話しが、今仏壇を目の前にすることで真実味を増したからだ。

いや、真実だと確信したのだ。


かずやの直感はこれだけではすまなかった。

かずや「もしかしたら、その位牌の日の日記みれば何かわかるんじゃないか…??」

位牌には
1980.11.18
小林勝也
そう書かれていた。


二人は今ものすごい冴えていた、誰とてこの状況ならそうかもしれない。

どんな小さな物音さえも聞き逃しはしない五感すべてがフル回転していた。

おじいさんが来てもすぐ気づける状態だった。

「開くぞ…」

友人は本を本棚から抜くと、本を開いた。

自然と二人は無口になった。

友人はゆっくりとページをめくっていく。

本の中身はやはり日記だった。

1ページに渡りびっしりと書かれた日や三行で終わってる日もある。

かずや「やっぱり…」
ゆっくりと少し黄ばんだ日記をめくっていく。

友人が日記を食い入るように見つめる中、かずやは位牌の方へと歩いた。

位牌に書かれた年号、月日、それをもう一度確かめるためだ。

1980.11.18…

かずやは友人にその年号、月日を伝えた。

友人はパラパラとめくりながら、そのページを開いた。

「ここからだ…」

殴り書きのような前日の日記にくれべ、11月18日の日記はすごくきれいな字で書かれている。

「11月18日、今日が私にとって…」


友人が始めの方をボソッと読む。

そっからは二人は無言で読み始めた。


【11月18日、今日が私にとって最高の日になるはずだった。
最愛の孫勝也の誕生日だ…】



二人を途中で目を合わせた。


「ま…ご?殺したんじゃないのか??」

かずや「そうだよ…孫を殺すはずがない、そもそも考えてみれば殺したんだったら仏壇なんかに位牌を置くわけが…」


二人の今まで考えていたことが今ここで否定された。

沈黙の中友人が口を開いた。

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