「何故だ・・・」
秀は龍華の姿を見て呟いた。
「何故アイツはまだ立っていられるんだ?」
「秀!上!」
「!」
まどかの声を聞いて、秀は上を向いた。そこには、龍華の姿があった。龍華は右手を前に突き出すと同時に炎を放った。秀は間一髪でそれを避けた。
「なっ!」
龍華が地面に着地したかと思うと、一瞬で秀の後ろに移動した。そして、炎のこもった拳を秀の背中にぶつけた。
「う、うわぁっ」
秀は数メートル前に飛ばされた。それを見て、まどかが龍華のほうへ向かっていった。
「はっ!」
まどかは、龍華に向けて重力を放った。だが、龍華はそれを軽々と避けてまどかの頭上に飛んだ。
「このっ!」
まどかは、また重力を放った。それと同時に、龍華も炎を放った。
「!」
龍華が放った炎は刃物のようにとがったものに変形して、まどかのところに刺さっていった。
「うっ・・・」
まどかはその場に膝を着いた。
「そぅか・・・」
それをみて、藻は呟いた。
相手の能力は重力。
敵を押さえつけるのには役に立つが欠点がある
それは、上から攻撃されたときだ・・・
龍華はそれを知ってた・・・?
「・・・なよ」
「・・・?」
秀の声が聞こえた。龍華は秀がいる方向を見る。
「ふざけるなよ!」
秀が大声で言ったとき、空から3つの首を持つ竜が現れた。すると、その時龍華の横にはあの2人が現れた。