『有壱殺害計画』
今日、実行に移す。
別によかった。別にどうでもいい奴だったから。
「有壱、話しがあるの。」
私は屋上へ向かった。有壱もついてくる。
「どうしたんだよ。」
「・・・さよなら。」
「は?」
気の抜けた声と同時に私は印を結んだ。有壱の体から激しく血が出る。
「・・・三・神・・・?」
今の状態を理解しようとしないなんて。まったく、人間は愚か。
「三神、最後に・・言わせて・くれ・・・。」
「なに?」
低く冷めた声で答えてやった。だって、私はこいつが嫌いだから。どんなに優しく接してくれても、嫌いなものは嫌いよ。
「俺・・・お前のこと・・ずっと・好き・・だった。」
涙が出た。葉以外から好きだと言われたのは初めてだったから。
でも・・・。
「私は、あんたの嫌いだった。」
そんな悲しい目で見たって無駄よ。
「いいこと教えてあげる。あたしは陰陽堂の者。あんたが邪魔だったから消させてもらうわ。」
沈黙が流れる。私は葉に合図を送ると、素早く印を結んだ。
「じゃぁね。」