今日の朝はいつもと違っていた。村人の騒いでる声で起こされた少年、ではなく青年のコウマはまだ今日が人生で一番最悪な日だというに気がつかなかったのだ「一体何の騒ぎなんだよ」大急ぎで家を出てグラットの家へ向かった。「よぉ〜、なんかすごい事になっているな」家に向かう途中で偶然会ったグラットにコウマは急いで聞いてみた「そこにいたのかよ、この騒ぎは何なんだ?」グラットは知らないのかと思った顔で答えた「なんでも政府軍が来るらしいぞ」政府軍とは多くの村を取り囲むように作られた基地を守るために作られた組織の事である。「軍!?何で軍がこの村に来るんだ?」一番疑問に思ってた事を聞いてみた。「なんか基地から伝説の指輪が誰かに盗まれたらしいぞ」その時コウマは記憶の中に一人の少女の姿を思い出した(あの時の女の子の事だ、てことは盗まれた指輪ってのはこれの事だな)その時コウマは、ふと思った。「あの時の森だ」「何か言ったか?」いけないと思い手で口を隠した。「まぁ、いいや、俺はこれから軍のお偉いさんを見に行くけどお前も来るか?」グラットは自分が急いでるように少し早口で言ったが「いや、俺は後から行くから先に行ってくれ」何でか分からなかったのか時間がたって、うなずいてから走り出していった。「さて俺も行くか」コウマは赤き木に向かい、全力で走り出した。その少女はやはりいなかった、だが姿は無かったが、声が聞こえてきた「指輪を持つものよ、早く村へ帰れ」何でだよと言いたくなったが怒りを押さえて「君に指輪を返しにきたんだよ」「もう遅い、早くしないと村が消えるぞ」その少女が言った言葉がコウマには信じられなかった。「どうゆう事だ!なんで村が無くなるんだよ」「グラットの記憶が戻った時、この世は闇に包まれるだろう」「なんだって!グラットの記憶に何が隠されているんだ?」少女は瞳を閉じて、口を開いた「もう時間が無い、とにかく1度村へ帰れ」コウマは悩んだが決断は早かった。「分かった戻ってみるよ」言い終わるとコウマは回れ右をして、また、全力疾走で村へ向かった。グラットは自分が誰か気になっていた、そして自分の記憶を知っていた政府軍の将軍がいきなり自分の正体を言ってきた事に驚いた「 お迎えに上がりました、グラット様」「なんだって!俺が伝説の闇の騎士!」その頃コウマは気がつかなかった、グラットこそがこの物語の重要な人物であった事を。