ミシアは背中に忍ばせていたナイフと拳銃をそれぞれの手に持った。 かたやラーファは先程から持っている拳銃一つだけ。ミシアは左手に持っている拳銃を発砲した。 ラーファは軽く避けて見せた。その瞬間ミシアの視界からラーファが消えた。 「!!」 ミシアは慌てて辺りを見渡した。 「こっちだ。ミシア」 背後から声がする。 “パン”拳銃が発砲される。ミシアは紙一重でかわした。 「上手く避けるじゃないか。けどあんまり長引かせたくないんだよね。 長引くとあの時の感覚が蘇ってくるんだよ・・・・・ねっ!!」 ラーファからとてつもない殺気と威圧が放たれる ミシアは冷や汗が止まらない。 「ミシア。ソイツを置いたまま消えな。今なら見逃してやる。断ったりしてみろ。キサマも三年前のあのお前の仲間達みたいになるぞ」 嘘ではない。ラーファは本気だった。ミシアは抵抗を諦めた。 「クッ。今日はキサマの言う通り引き上げる。 ただし諦める訳ではない。必ずキサマを超える力を手にいれ、そしてキサマを殺す。この小僧も私達のものだ」 そう言い残しミシア去っていった。・・・ラーファは電話を取り出した。 「ミッション完了。 トモアキ=イズミは無事保護。ただしカエデ=キサラギの方は失敗。 以上だ。次の命を待つ」 ラーファは何処かに連絡をとっていたが、終わったようだ。 「さて・・・」 ラーファは乗って来た車に智明を乗せ走らせた。