第6ディメット暦187年14月03日
〜均衡を保つ街 サリュトス〜
「だーー!もう何でXeroxの四天王は無理矢理戦闘を開始させるんだよ!!」
「グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…………ウオォォォォォ!!」
「禅煌!!会話になって無い!!」
「リオン!!そんな事気にしてる場合!?
ほら、後ろ!!」
「ぇ…………」
『ブォン!』
リオンが見た光景は、自分に巨大な鑓が襲いかかっているスローモーションだった。
《ヤベェ!!このままじゃ死ぬ!
………………………………………………………………………でも体が動かねぇ!!………………………………殺される、殺される、殺される、殺される、死んじまう、死んじまう、嫌だ嫌だ嫌だ死にたくねぇ!!!》
『ガキィィン………』
目をつぶり、死を確信したリオンの耳に金属音が聞こえてきた。
「汝それでも剣士か!!死を確信し何の抗いも無くここで果てる気か!!!」
その言葉にリオンが顔を上げると、
「禅………………………煌?」
そこには般若鮮血によって朱色に染まった胴着に黒い袴を着た禅煌ではなく、
鈍く赤色に光る鎧、
一切の穢れが存在し無い純白の胴着、
背に曼陀羅(まんだら)をいただく黒い陣羽織、
豪華絢爛な金糸の装飾がなされた黒い袴を着た禅煌がアストンの鑓を受け止めていた。
「ほぅ、久しぶりに見るな、貴様の戦装束は。」
「ようやく、ようやく昔の力が戻って来た、
四天王の頃の力が…………な。」
「…………………………………………………………………」
「「「エェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」」」
「なんじゃ、教えかて無かったのか、禅煌。」
「うむ、リオンに正体を明かしたら切りかかられそうだったのでな。」
「斬りかからねーよ!!」
「フン、まぁそんな事はどうでも良い。貴様等にはここで果ててもらうのだからなぁ!!!」
第15-4話『デクロス入国』続