朝から、学校に行くのが楽しくて(水無月先輩に会えるのが嬉しくて)いつもより早く家を出た。今まで、こんな気持ちになったことなんてなかった。学校に着くと、校舎の入り口で蘭を見つけた。「蘭、おはよう!」と話しかけた。すると蘭は、「おはよう!優香どうしたの?なんか朝からテンション高くな〜い?」と言ってきた。私は、一瞬焦ったけど、「そんなことないよ♪じゃあ、昼休みね〜♪」と返した。この日から、授業時間も水無月先輩のことばかり考えていた。いつの間にか、4時間目が終わり昼休みになっていた。昼ご飯は、蘭と二人で教室で食べるのがいつものことで、この日も一緒に食べていた。蘭は、朝から気になっていることを聞きたそうにしていた。私は、「蘭。あたし、好きな人ができたんだ。」と伝えた。すると、思いもよらない言葉が返ってきた。蘭は、「やっぱりね!相手は水無月先輩でしょ?」と返してきた。私は、焦って「何で分かったの?先輩とかも言って無いのに。」と聞いた。蘭は、以前、部活の見学に行った時に、私がその先輩だけを見ていて、それに気付いていたらしい。私は、心の中で「そんなに、分かりやすかったのかなぁ〜?」と思っていた。その後、水無月先輩とメールしてることを報告した。すると、蘭は、「頑張ってね!応援してるから!」と言ってくれた。私は、「ありがとう!」と返した。その時の私は、本当は、頑張ってもどうにもならないことに気付きもしなかった。嬉し過ぎて、周りが見えなくなっていたからかもしれない。今日も、いつものように部活に行くと、コート内で話している人達を見つけた。よく見ると、水無月先輩と誰か先輩と松田先輩の三人だった。それを見て、その頃の私は、「何話してるんだろう?」と思うぐらいだった。私が、「こんにちは!」と挨拶をすると、松田先輩も返してくれた。その後は、いつも通りに練習をした。練習も終わり、私達一年は、コート整備をしていた。その時でも、先輩達が気になっていた。私は、「先輩達、仲良いなぁ〜。私も、水無月先輩と話したいなぁ〜。」と思い、たった一つの歳の差を恨んでいた。この日から、このたった一つの歳の差が、苦しくて、辛い。と思うようになった。でも、この時は、まだ、松田先輩を恨むまではいかなかった。ただ、うらやましいとは思っていた。この思いが、恨みに変わる日は、突然に訪れることになるなんて、予想もしていなかった。