「友達のことでなんだけど…」
雪乃さんは伏せ目がちにそう言い出した。
「同じ会社に勤めてる、美咲って子なんだけど、ちょっと前からストーカーに付きまとわれだしたらしいの」
「………」
どうやら雪乃さんからの依頼は、友達のストーカー退治みたいだな。
「でも、ちょっと変なのよ…」
「え、変ってなにがですか?」
「うん。それがね、美咲今までに、3回も襲われたことがあるらしいのよ」
「おっ、襲われた!?」
そっ、それって…
「あっ、けどね、3回とも知らない人に助けてもらえたらしいのよ」
なっ、なんだ。よかったぁ…
「でも、その助けてくれた人…3人とも同じ人だったって…」
え…同じ人…?なんだ…なんだっけ?昔にそんな事件の新聞記事が…
「ちょっと待ってて下さい」
私は頭に引っ掛かっているものがなんなのかを確かめるために過去の新聞記事を調べてみた。
たしか…このへんに……いや、もっとまえに…そう、このあたり……!!
あった!これだ…
「雪乃さん、ちょっとこれを見て下さい」
私は雪乃さんに、引っ掛かりの正体が載っている、新聞の切り抜きを見せた。
「…なにこれ?これじゃあまるで…」
雪乃さんが驚くのも無理はないだろう。
「これ、三年前の新聞記事の切り抜きなんですけど、ストーカーの件とこの記事に書いてあること、似すぎていると思いませんか?」
記事に書いてあることはこうである…