「寒〜い!!」
麻里子は少し小走りで良に駆け寄ると手に息を吹きかけた。
「手袋ぐらいしろよ」
「今日だけ忘れたのっ!!」
「ったく!!・・ほれ」
良は自分のつけていた手袋を外すと麻里子に差し出した。
「えっ!!・・いいよ」
麻里子が良の手を押し返すと良は麻里子のコートのポケットに手袋を押し込んだ。
「行くぞ」
「うん・・手袋ありがと」
「いいから早く来い」
良が歩き出すと麻里子は少し大きい良の手袋をはめながら良の少し後ろをついて行った。
良が家の前で止まると麻里子を見た。
「家ここ」
「何か緊張してきた」
「頑張ってくれ」
「ムカつく」
「・・とりあえず!!心の準備はいいですかぁ〜??」
麻里子は1度大きく深呼吸をすると拳を握り締めた。
「・・・・・うん!!」
「じゃあ出陣!!」
良が玄関のドアを開けて玄関へと入り、麻里子は後を追うように玄関へと入った。