出会いがあるから
別れがある。
そんな当然ともいえる
運命の摂理の元に、この世界は成り立っている。
僕はこのどうしようもない摂理、神の領域とも
いえる摂理をこれ程迄に疎ましいと思ったのは初めてだ。
−−ある秋空の下、僕は君と出会った。
君と親しくなるのに時間はいらなかった。
「恋人どうし」なんて
肩書も必要ないほど
僕たちは通じ合っていた
僕は君と出会ってからのこの二年間とても幸せ
でした。本当に、
本当に幸せでした。
君は僕にとって太陽。
君が病で他界してから
僕は光を失った世界に落とされた気分だった。
枯れるほど涙を流した。
君も僕も生きている以上別れはやってくると
分かっていたのに・・・
僕は別れが怖くて出会いを求めなかった。
こんな気持ちになるなら出会いなんてないほうがいい。
・・・・・・・けれど、
君と出会わなかったら僕は本当の幸せを知ることはなかった。
君の笑顔を見ることは
なかった。
・・・少し、情けない姿を見せたね。これでは君も安心していけないね。
けど、大丈夫。
僕は迷わない。この摂理に従って生きていくよ。だから君も、もう少しだけ僕を見ていてくれないかな?
ありがとう。僕は新しい出会いを探すよ。
行ってきます。