「くそっ・・・」
秀は小さい声で言った。すると、秀とまどかが消えていった。
「龍華っ!」
藻が走って龍華の方に来た。龍華はゆっくり藻の方を向く。
「大丈夫か?!」
「あぁ。こいつらのおかげだ」
そぅ言うと龍華は霊の秀とまどかの方を見た。
「秀君・・・、まどかちゃん?」
2人を見て、藻は少し驚いているようだ。その藻の顔を見て秀はニコッと笑っていった。
『久しぶりですね!藻先生』
『本当ですね』
「でも、キミ達は・・・」
藻が混乱している。それもそのはず、さっきまで秀とまどかはもぅ1人ずついたからだ。どれがどれだか分からなくなる。でも、まどかの説明でやっと分かった。この2人は霊なのだと。
「何でココに・・・?」
『さぁ。俺達もよく分からない』
『気持ちが通じたんですね』
まどかは笑いながら言った。龍華はフッと鼻で笑った。
「さぁ。それはどうかな・・・」
『なんですか!それっ』
まどかは頬を脹らませた。すると、秀とまどかの体が足の方から少しずつ消えていった。
『さよならですね・・・』
『じゃあな』
「あぁ」
「じゃあね」
2人が消えたとき、空から白い光が降ってきた。5年前にいえなかった「さよなら」をやっと言えた今日。それは、龍華にとってとても心に残る日になった。