夏休みのある一日の深夜
私は同じ大学に通う友人達とK市で有名な心霊スポットの一つ
「廃墟アパート」で
肝試しすることになった。きっかけなんてのは
ありきたりで友人の一人が言い出したからだ。
皆も私も面白半分で
賛成してしまった。
これが本当の恐怖を味わう第一歩になるとは
まだ私達は知るよしもなかった。
−AM2:00 アパート到着
「やっと着いたな」
友人Aが口を開く。
「さぁ早く入って見ようぜ」
友人Bも興奮気味。
女である私と友人Cは
気味悪くなって来た。
「さぁて、ビデオカメラも用意したしそろそろ入ってみますか」
友人Bはすでにナチュラルハイ。先頭きって入っていった。
「おじゃましま〜す」
後に着いて私達も入っていった。
「おい。しっかり撮れよ」
友人Aが友人Bに話し掛けている。
二人とも私達とは違って怖くない見たい。
一部屋の台所辺りにきたときに私は何かすごい気持ち悪い感じがした。
「もう出ようよ。
なんか変だよ。ココ」
私はとにかく出たかった
皆私に気を使ってすぐ
出てくれた。
「じゃあ、帰りますか」
皆で来た道を使って友人Aの家まで帰った。
友人Aの家に到着。
せっかくだからビデオ観てこうぜ。
友人Aの部屋でビデオを
観ることになった。
ビデオが流れ始める。
ちょうど家に入っていくとこだった。
(以下ビデオ内の言葉)
「おじゃましま〜す」
「いらっしゃい」
私達は背筋が冷たくなった。
ビデオは続く。
「もう出ようよ」
あ、私だ。そうこの辺で
気持ち悪くなったんだ。
「もう帰っちゃうの?」
また知らない声が入っていた。他にも私達以外の人影も見えた。
「もう止めて」
私はとても怖かった。
友人Bがビデオを出し中のテープを引っ張った。
私達は言葉を発する事が出来なかった。
その日はその場解散で
終わった。
私達はもう肝試しは
しないと決めた。