僕とあの人は、感性が似ていたし、共鳴し合う点も、似ていた。
阪神タイガースを心から愛し、ブルーハーツが好きで、SouthernAllStarsの大ファン。
キャラクターものに目がなく、マクドナルドのおまけの犬を二人で集めた。
二人で、色違いではあるが、お揃いの携帯を持った。
流行りものに飛び付くあたりも似ていて、どちらが先にその情報を知ったかなどとくだらない言い合いを繰り返した。
僕には、女友達がいなかった。異性の友人を認めていなかったし、男同士に成り立つ真の友情を僕自身信じていたから。
でも、あの人とは友人にも恋人にもなれるようなそんな存在であった。
あの人を尊敬していた。
変な言い方だが、「どうしてこの人は、女なんだろう…、女にしておくのはもったいない」と、僕は心から思っていた。
もし、あの人が男なら一生分かり合える同士だったと思う。離れる事などなかっただろう。
だけど、僕は若かったし、あの人と出逢って、異性として惹かれてしまった以上、抱きたい衝動は、抑えられなかった。