遠距離恋愛

ユウキ  2006-11-15投稿
閲覧数[680] 良い投票[0] 悪い投票[0]

『遠距離恋愛をしなきゃならないなら…普通の恋愛の何十倍もの辛さを覚悟しなきゃならない』



これから遠距離恋愛をする人に何か言うならば、私はそぅ答えると思う。



メル友から付き合うようになるまでに私達は2回しか会っていない。
普通なら信じられないと思うけれど、2度目に会った時に私達は恋人どうしになったんだ。



メル友としてやりとりをするうちに、彼女を意識するようになったのはなんとない言葉だった。



『…淋しぃの?』
何でもない会話の中でふいに聞かれた時は正直心がが揺さぶられた気がした。
お互いフリーでいることは確認していたが、彼女にたいしてそれまでに恋愛感情を意識したことは無かった。



淋しい…?私は淋しかったのかな…?そう思われたのかな…?
頭の中でグルグルと巡る想いがもどかしかった。



心の深い場所に…その入り口に踏み込まれた様な気恥ずかしさと彼女への興味が…その時生まれていた。



『後輩に告白された』と聴いた時、私は初めて自分も彼氏にはなれないかと名乗り出たんだ。



私は東京、彼女は大阪。
今や新幹線で三時間たらずで向かえる距離だったが、実際に関西に足を踏み入れたことのなかった私には外国にでも行くような気持ちもあった。



それでも彼女への興味と告白されたとの焦りが私を間もなく大阪へと向かわせた。



ひとり新大阪へ向かう新幹線の車内は心細かった。行っても会うのが怖くなって来てくれなかったら…、後輩からの告白を受けてしまっていたら…。
そんなことばかり考えて、ネガティブになる。



市内で一泊して、次の日新大阪の駅で彼女と待ち合わせをした。



初めて会った時の彼女の表情を今でも忘れない。
少し伏し目がちで緊張して…たまにチラりとこちらを見るくらい。
お互い話はできても目を会わせることはできないまま、大阪の街を周った。



デパートの観覧車に乗り、私は初めて彼女と静かに向き合った。



彼女の目を見たまま『後輩からの告白は?』色々な言葉が胸に詰まってはハジけていった。



ここまで来てまともに今の気持ちを伝えられない自分が情けなかった。



観覧車が頂点に差し掛かり沈黙…。『終わっちゃうね』『うん』そんな普通のやりとり。その後彼女は『大丈夫だよ…うん』と一言残してくれた。



そんな最初の対面だった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ユウキ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ