母が想うこと・6

川上優輝  2006-11-15投稿
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食事を終えて、家に帰る。やっと繭が戻ってきた。今日は、そっとしておいてあげたい。私はそう思い何も言わずに、部屋に連れていった。父親が出てくる。『どこ行ってたんだ!』私は、何も答えない。(今日だけは何も聞かないで。)心の中で叫んでいた。しかし『どこに行っていたと聞いてるだろう!』父親は声を荒げた。私は仕方なく『警察です。繭が補導されたものですから』『ほらみろ。お前がちゃんと連れて帰れば、こんな事にはならなかったんだ』『すみません』何も言い返せない。責められ追い詰められ、自己嫌悪に陥っている。
どこでどう間違ったのだろう。繭はなぜこんな風に、なってしまったのだろう。考えても、今の私には答えは見つからない。

次の朝、繭に聞いてみた。『なんでシンナーなんかしたの?』『みんなしてるから』『みんなしてたらしてもいいの?』『いいんじゃ?』『いつからそんな子になったの!』『生まれ付き』私は怒りが押さえられず繭をたたいた。 というより暴力をふるい続けた。今考えれば虐待だ。その時は高ぶった感情を、押さえる事が出来なかった。
繭と私の戦争が始まった。これが、何年も続こうとはこの時考えもつかなかった。

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