ONE LOVE COFFEE物語(後編)

アキヒロ  2006-01-07投稿
閲覧数[417] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 会社と家の往復の毎日、外に遊びに行かなくなって1ヶ月が過ぎた。やばい、気が付くと福山の歌が繰り返される毎日・・・どうにもできない毎日・・・携帯の着うたR「大塚愛」が歌ってる。ユキからの電話だ!部屋に流れる「大塚愛〜」!気持ちの整理がつかず、居留守みたいになってしまった。残る着信履歴を見つめながら、5分後、電話をかけ直した「そう、別に電話がかかってきたから、電話するだけだ!」と自分に言い聞かせながら・・・。

 ユキのかーちゃんに紅茶を入れてもらって、食卓に座ってる俺。べつに幼なじみの家でお茶をすることなんか何度もあった。別に自然な光景だ。それもDVDを買ったから配線をしてくれという何でもない用事で来てるだけなのだ。そんな配線作業は15分もすれば終わってしまい、自然とユキの部屋にいる・・・俺。

 結局、ここに来るまで何も浮かばなかった俺は、あわよくばとONE LOVE COFFEEをポケットに忍ばせていた。
 自然な会話が限界になった俺は1階に降り、コーヒーメーカーをかかえてユキの部屋に戻ってきた。
「コーヒー飲まねぇーか?」
「さっき紅茶飲んだばっかりじゃない」
「いや・・・、のど乾いた!飲もうコーヒー」と大きな声を出していた。
 2杯のコーヒーを入れた後、ボトルを机に差し出した。
「何これ?」とユキがボトルを眺めている。
「俺、ユキとラブストーリーがしたい!」

 笑われた・・大声で笑われた。

「なに?次のナンパの予行練習?」
「ち、違うよ・・」
「何が違うのよ」
「だから、ナンパは辞めた」
「なによそれ、もしかして本気で言ってるの?」
「本気だよ・・・」
 ボトルの説明書きを読みながらコーヒー豆の出がらしを探るユキ。
「なにこれ〜!」ハートをつまみながら俺を見つめるユキ。
「ハートだよ、LOVEのハート、俺の気持ちだ!」やけくそになりながらもう一度ふんばってみた。

 笑われた・・・それもさっきより大きな声で笑われた。

「じゃあ、友達から初めてあげる」
「なんだよそれ、今までは友達じゃなかったのかよ」
 そう言った俺の気持ちは晴れていた。
ユキの笑顔をみつめてた・・・


   告白・・・非常に簡単そうで、非常に難しいこと。でも、気持ちを伝えなければ何も変わらない・・・





投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 アキヒロ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ