…どうして生きなきゃいけないの？…
里沙は携帯を開いた。『…生理がこないの…』送信ボタンを押す。難無くメールは送信された。
…はぁ……私は大きなため息をついた。
彼氏、というか不倫関係の直人と関係を持ち始めて三ヶ月が経つ。今まで不順になどなったことのない生理が二ヶ月ほど遅れていた。
♪〜〜最近売れ出したJ-POPが携帯から流れた。差出人は、直人だ。
『いつから？』『二ヶ月ぐらぃ』『検査は？』『…してないけど、多分…』『病院行って』『だって恐い…』『行かなきゃどぅしょうもなぃだろ』……………私は深いため息をまたつぃた。
１９歳の春、私は不倫関係にあった直人の子供を孕んだ。もちろん妊娠するのは初めての事だった。
驚き、心配、不安……でも嬉しい気持ちが１番だった。
私のか子供………生みたい………
『会って話がしたい』『明日なら』『…ぅん私も今日はバイトだから明日』その時里沙は昼間の仕事とは別に、スナックでバイトをしていた。直人とも、バイト先で出会った。
『赤ちゃん大丈夫かな……飲み過ぎなきゃ大丈夫だょね…？』妊娠中はお酒は良くないと聞いた事がある。
『…だって行かなきゃね…』お腹を摩る。
『…ゴメンね』
結局、その日家に着いたのは１時をまわっていた。そして随分と酔っていた。
『…辛いょね、ゴメン』お腹を守るような体制で布団に丸まった。
次の日､直人と会った。直人の車に乗る。
『体、大丈夫か？…ゴメンな…』
『うん…来週病院行く』直人は近くの駐車場に車を止めた。
『オレ大人げなぃな……無責任で』『…私もなんにも考えなぃで……』『おろ、すんだよな』
…え？…思わず直人を凝視する。
『おろ…す…？』『しかないだろ』『私の子供だよ？！』『…オレにはもぅ家庭があるんだ…そこまでは考える余裕がなぃんだ……』『一人でも育てられるっ』 『無理言うな…』『でも……』『悪いけど、おろしてくれ』 なにがなんだかわからない………おろす、と言う事は自分の子供を殺すことだ……なんでこんなヒドイ事を言うんだろう……
『生みたぃの…』涙が溢れた。『……ゴメン……』直人はそれしか言わなかった。
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