第6ディメット暦187年14月03日
〜均衡を保つ街 サリュトス〜
『ガキーン!』
リオンの剣とアストンの鑓がぶつかり合い、火花が飛び散り、複雑な旋律を奏でる。
「そういえば禅煌。般若鮮血とかって具体的にどんな物なの?」
「ウム、夜叉は極度の興奮状態になると『夜叉』になる。つまり夜叉化しない限り夜叉は人間とさほど変わりは無い。
それで、般若鮮血の事だが、これは夜叉が興奮状態にならなくても夜叉化できるように造られた術なのだ。」
「へ〜。じゃあカルファ峠で私とエルクを気絶させたあれは何なの?」
「あれは『気硬波』と言う夜叉にしか使えぬ技で、強力な物になれば人をいともたやすく……」
「オイ!!、レイラ!!禅煌!!ノンビリ夜叉について話してる暇があったら加勢しろよ!!」
「あ、ゴメーン、どうしても今聞いておきたくてぇ〜。」
「ったく。で、エルクはどこいった?」
「『四天王とは顔を合わせたくない。』って言って、もう国境越えちゃったよ。」
「しゃーねーなー。3人で戦うか。」
「承知。」
『あっ、みっけたよー、アーストン♪。』
「誰の声だ?」
「さぁ。」
「ぅ……」
「あ、アストンが言葉に詰まってる。」
『ヒューン、ドス。』
「これ………………………矢!?」
『タッ、スタッ。』(着地音)
「どこに行ったかと思ったら、こんなトコにおったんかいな、アーストン♪。」
「ぬ……………………貴様、追ってきたのか!!」
「当たり前やろー、強い奴におーたら(会ったら)そいつを倒すまで追っかけるんがアタシのポリシーっちゅう奴や。」
「なぁ、誰だ?禅煌?」
「あんな娘は四天王時代には見ておらん。」
「アタシはアタシのポリシーを貫き通す。このアイリーン・セシルちゃんのポリシーをね!!」
「なんか…イタイな………」
第15-5話『デクロス入国』続
【人物図鑑】
【名前:アイリーン・セシル】
【年齢:15歳】
【身長147?】
【体重:乙女の秘密……だそうです。】
【職業:弓術士】
【服装:黄緑色のタートルネックのセーターにデニムのホットパンツ】
【頭髪:茶色で、うなじまである髪、少しカールしている。】
【備考:関西弁を喋る女の子、アストンの追っかけ(今の所)。】