初対面なのに、ちびっ子だの、猿だの言われてツキは怒りを覚えたが、それより、人生にピリオドを打つか・打たないかくらいにショックを受けていた。それ以前に、もっとありえない現実にぶち当たっていたので、なんとか立ち直ることができた。
『オレな、実は未来が読めるんだ。』
『え?』二人同時に尋ねる。
『だから…』
『うそだ!!』
二人は信じなかった。でも、シゲの言ってる事が本当なら、さっきのストーカーを思わせる言葉は、つじつまが合う。それにツキは脱走の身だ。だから、それを思えばシゲは心強いんじゃないか。けど、未来を読むっていうことが信じられないでいた。
『信じてねえな?無理ないかァ。でも信じる信じないはお前ら次第。ま、あの男に利用されたいんなら無理に信じろとは言わねぇよ』
ビクッ。ツキは身震いした。
シゲも十分怪しいが、オレ(光マツリ)を欲しがってるあのキモい男に捕まるくらいなら…。
『わかったよ。信じる。で、よくわからないけどオレ達を迎えにきたのには、訳があるんでしょ?』
コクン とシゲがうなづいた。
『ここじゃ寒いからとりあえずオレの町へ行かないか?お前達も、早くスライダータウンから出たいんだろ?』