矢田の問いに答えられなかった。だって
答えてしまったら先生との関係が全て
終わってしまいそうだったから…。
「ハァ〜？何言っちゃてんの!?あんた。
うける〜!!」
「俺、一週間前くらいにあんたたちが二人で車に乗り込んでるの見たんだよね。」
またしても答えに困った。確かにあたしと
先生はそのとき車に乗り込んでドライブに
行こうしてた。
「い、意味分かんないし。人違いでしょ」
「俺、視力2,0だけど？」
あたしは冷や汗がでているのに自分でも
気がついた。矢田は相変わらずそこに
何にもないような顔して突っ立てる。
何か、何か違う話に変えなきゃ―!!
すると神様があたしの願いを聞き入れたように林の中から子猫がでてきた。
「うわ〜…お前汚いなぁ。」
あたしはその子猫を抱き上げ見つめた。
子猫は嬉しそうにノドを鳴らす。
「先生、俺の義兄なんだよね。」
「は？」
矢田の言っている意味が飲み込めなかった
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