へぶん?

夢見大  2006-11-16投稿
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ご飯を食べ終わった拓也と春香は、お店を出て近くにあるスーパーで買い物をした。夜のおかずを買っていた時、拓也が急に春香の手を強く握った。何かなと思って、息子を見ると一心不乱に一点を穴が開くほど凝視している。春香が何を見ているのか気になり、拓也が見ている方を見た。
見ていたものは、ベンチに座っている少し体が悪そうな、青年だった。その青年も拓也を見返している。どちらも真剣である。息子に声をかけて、止めさせるかどうか迷っている間に青年の方が、拓也から目を反らした。そして、ぼそっとこう言った。
「神が現れたというのか」そういって、すたすたと去っていった。
彼が去ったあと、小さく拓也を叱った。
「あんな見たら失礼やないの。何があったんな?あの人がなんかしたんか?」
「喋ってたの」
拓也が今まで出したことのないような低い声で言った。そのあと、ぐらっと拓也の体が揺れた。そしてそのまま倒れた。
「どうしたん?!しっかりしい!」
慌てふためいていると、さっきの青年が戻ってきて、いきなり拓也に触れた。そうすると、拓也は、むくっと起き上がった。
何がなんだかわからない春香は、とりあえず礼を言った。すると、青年がこう呟いた。
「使命ですから」続



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