翌日、コウ達のバトルシップには武器が積み込まれた。
「こちらがレーザーショットでこちらが…」
ミジコが一つ一つ説明していく。
『三人共、準備は出来た?』
「ああ…」
三人はバトルシップに乗り込んだ。
『生身のままテレポートで行くよりバトルシップに乗ってた方が安全だからね…何かあったらすぐに無線連絡だよ』
「…今度は途中で切れるなよ」
コウの皮肉と共にバトルシップは発射した。
目的地のHMPエリアへは三時間程で到着した。星屑が大量に浮かんでいて、どこに何か潜んでいたとしてもそれらの影となって見つけるのは困難であろう。
「…何か見つけるまでこの近辺を飛行し続けるしかないだろうな」
テシは器用にハンドル操作をして、星屑を避けながら前進して行った。しばらく探索を続けたが、いつまでたっても似たような景色ばかりで、これといったものは特に何も見つからない。
「退屈…」
コウは大きなあくびをした。
「でも何も無い方が平和だろう」
「確かにな…でもさっきからずーっと同じような景色ばっかりに必死に目ぇこらして…疲れた〜!チョコ食いてぇよチョコ!!」
「ちょこ?何だそれは」
テシが興味を示す。テチも後部座席から身を乗り出してコウの話を聞く。
「マジうまいんだよ!甘くてさぁ…メリードとかには無ぇのかな…」
「地球にはいっぱいあるの?」
「勿論!チョコにもイロイロあってさ。ミルクにホワイト…俺はビターが一番好きだけど」
「むぅ…よく分からないがうまそうだな…」
「僕も食べたいよ〜!……って、うわぁっ!」
チョコの話に熱心になりすぎたせいか、気付くと少し大きめの星屑が目の前に迫っていた。
「しまった!」
テシは思い切り操縦レバーを引いた。何とか衝突は免れたものの、無理矢理避けたことで機体が大きく傾き、コウもテチもそれぞれどこかに頭をぶつけた。
「ふぅ…危なかったな!」
何とか避けきれたことで達成感に満ちた表情のテシ。
「危なかったなじゃねぇ!ボーッとしてんじゃねぇよ!一歩間違えたら大事故だぞ!」
「コ…コウ殿が気の散るような話をしたせいだろう!」
「人のせいにするな!」
「もぉ〜だからケンカは……あれ、何だろあの光」
かすかであるが前方に薄く赤い光が差している。三人は嫌な予感がした。
「…もしかして…今回の事件の…」
「…とりあえず行ってみようぜ」