学園の門が開かれた時、俺達の冒険も開かれた―\r
タロットの奇跡。 2
学園の門を開け、敷地に入る。
俺はふと顔をあげて、校舎を見ようとした。
だがそこにあったのは、霧。1面、霧。霧だらけ。
「なんじゃこりゃぁ!」
「・・・・なんでしょう、私は嫌な予感を感じていたのですが」
「それを先に言えバカタレ。お前の予感は当たるんだから」
俺達はとりあえず霧に向けて歩き出す。
どこをどう進んでも、霧霧霧。霧だらけである。
一体どうなっちゃったのよ、と俺は頭をかいた。
帰ろうかな、と思って後ろを向く。
だがそっちも。
「・・・霧かよ」
「もう後戻りはできませんね。さ、進みましょう。
戻れないなら、進む方が良いのですから」
そう言い、すたすたと進む鏡。
俺は急いで鏡を追いかけるが、突然鏡が止まった。
鏡の頭にぶつかりそうになり、俺は急停止した。
しかし、鏡は何のシャンプーを使ってるんだ。いいにおいがした。
・・・俺は変態だろうか。
鏡はくるりとふりむき、無表情のまま言った。
「このまま闇雲に進んでも、無駄だということが判明しました。
というわけで、光一君。なにか良い提案はありませんか?」
俺はうーん、とうなり、ある1つの方法を思い出した。
「そうだ、お前今タロット持ってる?」
「はい、スカートのポケットに」
「お前、前に言ってたよな?『困った時は、ワンオラクルです』って。」
つづく