は…はは!嘘でしょ?そんな事あるわけないじゃん!』
ツキはとても信じられなかった。だってそんな伝説の神の力だなんて。でもチィはすっかり信じ込んでいる。シゲの表情も本気だった。そしてもう一度 嘘だぁ… と呟いた。
『伝説の力だこそ、ヒロは狙っているんだ。だが、そこでアイツに捕まってしまうと、何に利用されるか…』
ツキもチィも想像してみた。ぞっとする。せっかく平和な日々を送っていたのに、メチャメチャにされちゃうかも…!!チィは思っていたより重い問題だということを噛み締めた。それに気付いたのはツキも同じだった。
『だから…お前ら逃げてきて正解だったってこと。』正解?何が?オッサンと、仲間達と離ればなれになることが?いや、まずオレにこんな力が宿ったことからして、まちがってたんだ。
『おれは』
声がうらがえった。
『オレは絶対捕まらない!絶対ゆるさない』
ツキのその言葉からは、怒りと、悔しさが伝わってきた。