大好きだょ。

蜜柑  2006-11-18投稿
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「ユキ、帰るぞ。」

イツキが廊下の窓から顔を出して叫んでいた。

「ちょっと待ってっ!!」

私は慌てて机の中から教科書やノートを引っ張り出してかばんに入れる。

クラスのみんなと「じゃあね。」と笑顔で別れてユキミゎイツキを追いかけて玄関まで走った。

靴箱の前ではイツキが棚に寄りかかって待っていた。

「お前はいつも遅ぇな。」

イツキが笑いながら言う。

そしていつものように手を差し出す。

「いっチャンが速いだけだもん。」

私は少し膨れて見せた。

そしていつものように手を繋ぐ。

いつもと同じ幸せな時間。

もうすぐ1年になる。

こんな日々がいつまでも続くと思ってた。

高校1年の秋。





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