どうせ私は可愛くないし
どうせ私は頭良くないし
どうせ私はスタイル良くないし
どうせ私は性格良くないし
どうせ私は素直じゃないし
どうせ私のことなんか好きじゃないんでしょ
どうせ他にも好きな子いるんでしょ
どうせ
どうせ…
君の口癖だった
君のことは大好きだった
心から愛していた
君の口癖は
そんな気持ちを嘘にする
どうしてそんなに卑屈になるんだ
君にはたくさんの想いを伝えてきたはずなのに
何も伝わっていないのか
伝えきれていないのか
好きだとか愛してるとか
言葉に出しても
「どうせ嘘なんでしょ」
その一言を冷めた声で簡単に言ってしまう
寂しい
君に何を伝えればいいのか
君の満足のいく言葉は何なのか
頭が痛いよ
君を喜ばせる自信も君を幸せにする自信も
君を笑顔にする方法さえも
何もかも無くなってしまったよ
君を責めるつもりはない
君は君だから
君を好きになったのだから
「どうせ別れたいんでしょ」
突然の君の言葉に
心臓が大きな音を上げた
迷っていた
好きな気持ちは変わらない
でも自信を無くしてしまったんだ
君には分からないだろう
何も分かってくれていないだろう
だから楽な道を選ばせて欲しかった
言葉に詰まった僕に君は
「嫌だよ」
うつむいたままそう言った
唇が震えていた
「別れても…」
君は必死に震える声を出していた
「別れても…」
「どうせまたあんたを好きになる」
目に涙をいっぱいためていた
胸の奥が締め付けられて苦しい
そうか
分かっていなかったのは僕の方かもしれないね
ただ君は寂しかったんだろう
人よりもいっぱい寂しがり屋なんだ
君の本心を僕は待っていたのかもしれない
どうせあんたを好きになる
少しは君の口癖も愛せるかな
違う
本当は君のそんな口癖も耳に心地よかったんだ
「今も好きだよ」
僕は心からそう言った
「どうせ…」
君の目から涙が溢れ出た