春―\r
皆はお花見とか行くけど私は行けない
夜の景色しか見たことない。
私の名前は柊 美鈴
病気だから。
夕陽も見たことない。
太陽なんてみれっこない。
1990年夏、私は産まれた。
翌日、両親は医師に呼び出された。
「お子さんは色素性乾皮症です」
母は絶望のあまり静かに泣いた。
「なんで・・・・うちの子が」
「言いにくいのですが。お子さんは20歳まで生きられません」
突きつけられた厳しい現実。
母はついに育児ノイローゼになってしまった。
すぐに私は、叔母の元へ預けられた。
月日は流れ
「ママ」
私は叔母を『ママ』と呼ぶようになっていた。