2人は、晶がいる別荘に向かって走っていた。
「啓吾!」
怜が啓吾を呼んだとき、2人の周りは黒い服を着た男たちに囲まれていた。
「あと、もうちょっとなのによ・・・」
2人のいる所から別荘まであと、100メートルほどしかなかった。だが、囲まれたいじょう戦うしかない。
「いくぞ」
「うん」
啓吾と怜は左右に別れて男たちを次々と倒していった。だが、倒しても次から次へと男たちが現れた。
「これじゃ、きりが無ぇな・・・」
啓吾と怜は背中合わせになった。啓吾が呟いた言葉が聞こえたのか、怜は首だけ後ろを向けて言った。
「啓吾、先行って」
「え?」
すると、啓吾の前に短刀を持った男が走ってきた。怜は啓吾の前に出て、男の短刀を持っている腕をつかんで男の腹に拳をいれた。
「早く!私はあとから行くから」
怜の言葉に啓吾は頷いた。そして、走り出した。
「アイツが逃げるぞ!」
男たちが啓吾の後を追おうとした。だが、男たちの前に怜が一瞬で現れた。
「貴方達の相手は、私だよ」
そぅ言って怜はまた次々と倒していった。
そして、啓吾は別荘の前に辿り着いた。そして、ドアをゆっくりと開けた。その中には、何人もの人の倒れた姿があった。その光景を見て、啓吾は怒りを抑えることができなかった。