「ふ〜ん・・・二人は観光に来たんですか。」
「そうそう!ここの温泉って、すっごぉくお肌に良いって聞いたの!」
「・・・・・・温泉なんて在りましたっけ・・・?」
「えぇ〜っ!?リファ君知らなかったの!?秘湯だとは聞いてたけど、地元の人も知らないんだ〜。」
「それでねっ、その秘湯までの道のりが半端じゃかったのよ!」
「秘湯は山の中にあるから、山登りしなきゃならなかったのよ〜。」
「山の中・・・ですか。」
客の女性二人は、観光客だったらしい。ロイドがコーヒーを淹れている間、リファは観光話を聞かされていた。
「お待たせしましたっ、どうぞ。」
ロイドがコーヒーをテーブルに置いた。コーヒーの良い香りがした。
「・・・。」
「な、何ですかっっ??」
女性の一人がロイドの顔をじっと見つめる。
「君もカッコいいよねぇ〜。何て名前?」
「ロイド・・・です。」
「ロイド君かぁ〜。覚えとくねっ♪」
「はぁ・・・。」
「わぁっ!!このコーヒーすっごく美味しい!」
「えっ、ホント!?・・・ホントだ、美味しい!!」
「あ、ありがとうございますっっ!!」
「ふぅ〜っ、いいお客さんだったなぁ!リファ!!」
「・・・そう?」
二人が帰った後、ロイドはカップを洗い、リファは机に突っ伏していた。
「一番面倒くさい客だった、僕にとっては。」
「そうか?何かコーヒー褒めてくれたし、『また来る』って言ってたし。」
「・・・ふーん。」
暫くして、ロイドも机に突っ伏していた時――――。
「二人ともっ・・・って、何寝てんのよ!!」
「あ・・・。」
続く