「ぅん…？」
寝ぼけているのか、とぼけているのか、返事とも言えない反応をあの人は、見せる。
「限界なんですけど…」僕は、あの人を抱き枕のようにした。
クスクスからかうように笑いながら、あの人は僕の方を見返し「三万！」と小さな手を出した。
「高っ！」僕も笑いながらあの人を引き寄せ、初めて口づけを交わした。
僕は初体験のように、不器用にあの人を抱いた。
明け方のセックスは、夢うつつで、気持ち良くて、幸せで、ずっと前からこうしたかった。出逢った時から、何だかこうなる気がしていた。
離したくない、終わりたくない…。
夢じゃないことを確認するように二人で強く抱き合い互いを求め合った。
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