二人は男の居場所に向かって歩いていた。
歩の情報によると男は村のはずれに拠点を設けているらしい。
「それにしても予定より早く居場所が分かってなによりですね」
歩はちょっと安心って顔で話していた。
「ところで、中野さん。
そろそろあの男について教えてくださいよ」
歩が聞いて来た。
「そうですね。いいでしょう。奴の名は辻本 亮介前科無しだがとてつもない事を企てているようです。ようは鉄は熱いうちに打てって事です」
中野は簡単に説明をした。
「けどそんな奴私と中野さんの力を合わせればどってことないですよ」
歩は自信あり気に胸を張った。そんな歩に水を差すように中野は続けた。
「それがですね、歩さん。情報員の情報によると奴は私と同類のそれ以上の力を持っているそうです」
中野の顔は緊迫気味だった。二人の間に緊張感が走る。
「その情報間違いないんですか」
歩が信じられないって顔をしている。
「驚くのも無理ありませんね。私も流石に驚きました。まさか私同様の力を持っている奴がいるとわってね。奴と戦るときは歩さん、気をつけて下さいね」
中野は心配そうに歩を見た。
「大丈夫ですよ。そんなに心配しないでください」
歩はさも余裕かの如く胸を張った。
そんな歩を見ても中野は不安でいっぱいだった。
二人はとうとうあの男の居場所に到達した。
中野と歩は警戒心を高めながら屋敷の中へ入っていった。