…博一が死んだ
いい奴だった。
あんな奴は、俺の周りには他にいなかった。
畜生…
あの後解体された博一はジェイ○ン男によってどこかに持ち去られた。
之秀『マぁスギタことをイツマデも気にするな』
気にするなだと?
貴博『うるせぇ!お前…!何で博一を殺したんだよ!あいつに殺される理由なんてなかっただろ!?』
俺の中から、怯えが消え去った。
代わりに沸いたのは怒り。
之秀『キヒャヒャ!理由ネぇ!オマえホントナニも知らねぇんダな』
そういえばコイツが叶呼を襲う理由が分からないままだった。
之秀『イイゼ、ヒヒっ!教えてヤるよ、テメェの雇主がどんなにイカレテルかをなぁ』
貴博『黙れカスが、お前のほうが十二分にイカれてんだろこのサイコヒスが』
叶呼がイカれてるだと?ありえない。
一か月話したり遊んだりしていたが、そんな要素微塵も感じなかった。
之秀『ホゥ…アイツが望を殺したッて言っテモか?』
は?
貴博『…意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇぞ!叶呼が、あいつがそんなことする訳ないだろ!デタラメ抜かしやがって』
男は忌々しげに眉をひそめた。
之秀『アイつは!望を!俺の大切ナ人を殺しタんダヨ!』
男の声に余裕がなくなった。
之秀『両手両足ヲ切り取ラれテ!魚をサバクみたいにハラを裂かれ、内臓ヲヒキズリダされて!』
貴博『そんな、なんだよそれ。そんな…』
全身から血の気が引いていった。
嘘た…嘘に決まっている…デマカセだ…。
貴博『か、叶呼がやったって、証拠でもあんのかよ』
平静を取り繕うが、どうしても声が震えてしまう。
之秀『証拠モナニも!俺ノ目の前で!最後に残っテイた頭をぶっ潰さレた!』
そんな…そんなことあるはずが…。
之秀『サて、シンジルカどうカはオマえ次第ダ…』
男が目の前まで寄ってくる。
口元に何かが押しつけられる。
之秀『ネムって考えロ』