「出来るわよ。だからやってみてっ」
「やってみてと言われてもやり方が判らないんだけど…」
「えっ…」
「えっ と言われても…」 2人は数分見つめ合った。先に清子が口を開く。
「そうか…まだ思い出してないのね…」 清子は悲しそうな眼を麻里に向ける。
「思い出してないって何を?」
「魂に刻まれた記憶」
「魂に…刻まれた…記憶?」
「そう。貴方に魂が宿る前の人達の記憶。まぁ前世の記憶みたいなものね。私達はこのことを魂憶(コンオク)と呼んでるの」
「魂憶…」
「略しただけなんだけどね。戻ってないのだったら力を使うのは無理か…」 清子はそう言うと眼を閉じた。