(ナ.ヤム..ツ)
声が聞こえる微かだが..微かに左耳からあの神主の声が聞こえた..
(ナ.ニヤ..ツ)
俺は目の前にいる女霊を睨みつけ自分自身でも唱え始めた...
「な‐に‐や‐む‐だ‐ぶ‐つ‐」
絶望的な状況で誰かの助けを感じたのはやはり心強いことだ。少しだか徐々に自制心を取戻してきたみたいだ。
その助けがあってか女霊自身の力が少しづつ抜けていく...
(ナミヤムダブツ)
「な‐に‐や‐む‐だ‐ぶ‐つ‐」
女霊の力の抜けた手は徐々に首元から放れるのが分かった。
「か.え..せし.てぇ..よぉ..」
女霊は苦るしまぎれに再び俺に向ってきたが‐
その時‐「えっ?」
「あれ?おい!うわああ??」
俺の実体から俺がでてきた...
まぁようするに. ゆうたいりだつしたというわけだが...俺はその時そのことを知らなかった。
体が宙に浮く感覚はあまり気持ちがいいわけではないどちらかというと気味悪い。
まだ神主と思われる声が耳にしていた。
俺はとっさに奴に向い鬱憤(うっぷん)をはらすかのように女霊を投げ飛ばした。
「うりぃぃりぃぃいああああっっ‐」
[ブン‐]
女霊はいつの間にか何処に行ったのか分からなくなっていた。
「やばい」
「体やばいし戻らん..冗談じゃないこのまま天国なんて..嘘だろ..」
俺は実体に必死にしがみつくが離れ力が全身から抜けていく...目の前が暗くなった。
[キラ‐]
「...?」
目を覚す俺窓にあたる朝日の光が窓に反射していた。
起き上がり自分が今まで仰向けで眠っていることに気付いた。 目を擦り、棚の上に落ちた御札をもどす。
太陽の光が御札に反射してキラキラ輝いていた。
窓の鍵を開け窓を開ける。
[〜ガラ]思いっきり背伸びをする。
「ううーーん」
心地よい朝風が顔にあたる。
少し和み窓を閉めた..確かめるようにみるがもう見えないがあの女霊が一瞬見えた気がした。
だが勘違いと俺は考え振り返り部屋を出ようかした。
「かえしてよ..」
「うん??」
後ろから微かにだが声がした気がした。
だがそれから俺の部屋には幽霊は出なくなった気がする。
もう霊はゴメンだと今でもたまに思うことがある。