あれから1週間。翔は別れたらしい。あたしは放課後、翔にしつこくよりを戻そうと迫られたが、あっさりと断った。
「なぁ、より戻そうぜ?」
もう、家の近くの公園まで来ていた。
「あの時は悪かったよ!俺、お前の言ったとおり自惚れてた。」
このままでは家まで着いてくると思った鏡花は歩く足を止めて、翔の方に向いた。
「鏡花?」
鏡花は空気を吸い込むと、キツイ声で言ってやった。
「あたし、あんたとより戻すつもり無いから。そんなに彼女が欲しいなら作ればいいじゃない。学校に女はたくさんいるんだし。それと、鏡花って呼ばないで!」
翔は呆然としながら聞いていたが、我に返って言い返した。
「俺はお前がいいんだよ!俺気づいたんだ。お前の存在がどれだけ大事かってことに。」
それが本当だとしても、元々あまり好きじゃなかったから鏡花はまた言ってやった。
「あたし、あんまりあんたのこと好きじゃなかったんだよね。だから、もう1回付き合うとかあり得ないから。」
翔は独り言を言いながらもと来た道を引き返していった。