僕は朝出勤すると、上司に呼び出された。
「来月から、担当外れてくれ」
「朝一から冗談か…?」
思考が止まった状態の僕に、
「来月から、在庫管理だ」
「決定事項ですか?考えるとか意見しても、無駄なんですか」僕は、淡々とした口調で、質問した。
「そうだ。」上司は目を合わさず答えた。
席に戻る途中、日頃から、僕の事を良く思わない連中が、見て見ぬふりをした。
やめてやる…。
席には戻らず、たばこを吸いに、外へ出た。
可愛がってくれている先輩二人が追いかけてきて、話をした。
上司や日頃から気にくわない奴らの態度はムカついた。
けど、それ以上に、やっと一年かけて顔と名前を覚えてもらった営業先にもう行けないのかと寂しかった。
あの人の店にも行けなくなる…。
あの人は何と言うだろうか。
うちの事業所でもあの人の店の売り上げは、上位三位以内に必ず入った。
あの人なら、上司と話せる。助けてもらいたい。
今晩会いたい。あの人にメールした。
はーい。何も知らないあの人から、無邪気なメールが返ってきた。