俺は家へと戻った‥
‥‥疲れた、とにかく疲れた。あの試合が遠い昔のように思えてくる。
頭がぼーっとして‥もう何も考えられない。
とりあえず寝たい‥全部悪い夢だと思いたい。
俺はベッドに倒れこんだ‥
(ピーンポーン‥)
『‥‥‥‥。』
(ピーンポーン‥‥)
『‥‥っ。‥はいっ!』
重たい体を起こし、大股で玄関へと向かう。
ドアを開ける。
美月がいた。彼女はパジャマ姿だった。
『‥おまえ、まだ起きてたのか‥』
時計は午前4時27分をさしている。
「電気‥見え‥たから」
『そうか‥。‥‥‥。』
‥心配させたくなかった。震える声を押し殺し、普通に話そうとした。
『‥瞬は大丈夫だから心配すんな。まだ麻酔から目覚めてないけど、大丈夫だからさ。』
「‥え????麻酔って‥なに?‥手術したの?」
目を合わせられなかった‥。合わせたら何もかも見透かされてしまいそうだった。
『‥‥あぁ‥』
‥自分の声が震えてきている。
「‥そ‥んな‥‥なんで‥‥なんなのっ?」
‥‥今まで押さえていた、やり切れない思いが美月へと爆発した。
『‥‥ぉ‥れだって‥俺だってわかんねーよ!!』
「‥りょ‥ぅ‥」
『俺もまだ混乱してんだよ!!‥‥落ち着いたら、落ち着いたらちゃんと話すから‥‥‥‥。』
美月の目には涙が溢れていた。
「‥‥ごめ‥」
美月は闇の中へと消えていった。
(‥‥‥はぁ‥。)
溜め息がもれる。
ドアを閉め、部屋に戻る。足元がふわふわしている。
布団に顔を埋める。
‥言い過ぎた。わざわざこんな遅くまで起きていてくれたのに‥‥あれはないと思う。マジ最低だ‥‥。
‥‥‥‥‥。
‥‥謝ろう。
んで、全部話そう。
俺はいつの間にか眠りに落ちていた。