1隣
3年間同じクラスだったのに、なんであなたに気づかなかったのだろう。
毎日そんな事を思うあたし、西園寺 菜奈
小6
今、席替えの最中。あの人と隣になれるかどうかの大事なとき。
「えっと、西園寺さんは高林の隣」
そう、私の好きな人は高林 拓哉。
頭もよくてスポーツできてカッコイイ。
「あ・・・あんたの隣なんか最悪」
嬉しいのに逆の事を言ってしまった。
「俺も!」
私は、2年前告白して断られた経験がある。
『好き・・・・』
『ごめん』
彼は迷惑そうな表情をしていた。
それはそうだよね。私は暴力女。
「拓哉、教科書落ちてる」
拓哉は私をチラッと見るとこう言った。
「あっそ」
「普通、お礼言うでしょう!」
「いやだ」
私はムカッとした。