〜Stliker〜哀編(18)

焼き魚  2006-11-23投稿
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Z県に到着した龍雅達は駅からしばらく歩いたところで突然小さな自転車屋に入った。
龍雅「こんにちは!ゲン爺さん!龍雅です!ストライカーを取りに来たんだけど。」
すると奥から歳60くらいの作業着姿の男が現れた。しかし年齢がそう見える割には大柄で肌の色つやが良い。
男「なんや?龍雅かいな!久しぶりじゃのう!!来るなら連絡くらい寄越せっちゅうの!!」
龍雅は苦笑いした。
龍雅「電話交換手に聞いたら未払いでゲン爺さんの所は止まってるって…。」
ゲン「何!?電電公社め!!あのバカ局長!!絶対ワシに対する嫌がらせじゃ!!…ちょっと行ってくる!!」
龍雅がゲンを制止する。
龍雅「止めなって!どうせいつもの事だろ?局長も酔いが覚めたらすぐに元にもどすよ!それに緊急の用事が…。」
ゲンは我に返り、龍雅の方を向いた。
ゲン「わかっておる…。お前がいつ来てもええように整備してある…。ん?そちらのギャルっぽい子は?」
龍雅「この子は綾香っていうんだ。成り行きで着いて来た。」
綾香は軽く頭を下げた。
ゲン「…はぁ、ジジィもあと40年若かったらのぅ…、最近行ってないなぁキャバクラ…。…龍雅こっちじゃ。」
そう言って店の裏へと案内した。そこにはお祭り用の山車を保管するための縦長の小屋があった。その中へ入り、明かりをつけるとお祭りにつかういかつい山車と共にストライカーが一機だけ保管されていた。
ゲン「今、そこの明かりを点けるぞ。」
カシャッ!
するとよりそのストライカーの全貌が明らかとなり、龍雅と綾香は驚いた。前頭部に角がついており、腕部、脚部共に大きい。背中には斧を正反対に取り付けたような武器がついておりサブマシンガンが腰に取り付けられている。
ゲンが一言…
ゲン「どうじゃ?動かすためにはまだCPUを取り替えんとならんが多分こいつはお前が前乗っていた『ダークフィアー』よりはケタ違いなパワーが出るはずじゃ。」
龍雅「あとは俺がやる。ゲン爺さんの仕事の邪魔になったらまずいから。」
ゲン「そうか…じゃ、ワシは仕事場に戻るが最後に一つ聞かせてくれ。」
龍雅はここではじめてゲンの方を向いた。
龍雅「何?」
ゲンはストライカーを見上げたままだ。
ゲン「お前がこの機体に乗らなくなって久しいもんでのぅ、この機体の名前を忘れてしもうたんじゃ。」
龍雅はニコッとして答えた。
龍雅「ディア=パノス。」

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