二人は慌てて出発の準備をした。ツキは絶対に捕まりたくないと思ってはいたが、“不安”と“こわい”が混じり合って自信をなくしていた。
チィは至って冷静だった。自分がツキをサポートしなげれば、と考えていた。
本当はシゲも付いていけばいいのだけど、ヒロとシゲは知り合いだ。シゲがツキの脱走を支援していることがヒロにバレると、シゲ自信も危険だということでシゲはもう一つの才術、“変身術”で蜂の姿に変わり、結局付いていくことになった。
『きゃあああああ』
イートタウンには朝からすさまじい悲鳴が鳴り響いた。その叫んだ本人は、女の子のチィじやなく、なんとツキだった。というのも、蜂の姿のシゲを見て、虫嫌いのツキがびっくりしたらしい。
『情けないわねぇ』
チィは呆れた様子で腰を抜かしたツキを起き上がらせていた。
『オレに半径2?以上近づくな!いいか、絶対だぞ!!』
『そんなこと言うなよ!オレは蜂にしか変われないんだ!』
そんなこんなで、二人+一匹はイートから出た。ミスカに行く為には、森を抜けなければいけなかった。