光マツリ

かぁ  2006-11-23投稿
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森に入って、30分。森はすっごく広いと聞いていたけど、足元にあるはずの小道がいつの間にかなくなっていた。どうやら小道から逸れて迷ったみたいだった。
『なんかこの森暗くて不気味なんだけど…』チィがツキの服を掴んで小さな声で言った。まだ明るいはずなのに真っ暗な森はシゲにとっても怖かった。
『しかもオレ達迷子だし…最悪だ〜』
その時、背後から「ほーぅ」と、ケモノの声がした。案の定、怖がりな二人は絶叫して、猛スピードで逃げていってしまった。

『きゃあ』
チィがコケて、
『あーっ』ツキもチィにぶつかってコケた。『あいてーごめんチィ』
ツキは立ち上がって、土と、何やら奇妙なカタチの葉っぱをはらった。
『チィ?何黙ってんの。怖いから喋ってよ』
ツキはチィの肩を揺さぶろうとしたら、チィが突然なにか言った。
『きれい…………』
よく聞こえなかったけど、何が綺麗なのかさっぱりわからなかった。
『見て、ツキ。』
見て と言われ、ツキは屈んでチィの指差す方向を見た。そこには、
『わぁあ花畑だ……!!』
ツキもチィも一目散に駆け出して、花畑に入って行った。シゲもついてくる。
そして二人はあることに気付いた。この花畑がこんなに綺麗なのは、なんと花自体が光を発していたのだった。そして、森がこんなに暗いのは、木々が茂って、日光を防いでしまっていたからだった。
トサッ

なにか音がした。その方向を見るとチィが倒れていた。というより、眠っていた。気がつけば、シゲも眠っているみたいだった。
『どうしたんだいきなり…』

そう思っていると、目の前の光景が霞んできた。そしてあっという間に、ツキも深い眠りに入ってしまった。



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