屋上に行くと、僕より先に君がいた。
いつも、この場所に僕がいるのに
僕より先に君がいた。
僕には、気付かず空を眺めていた。
その仕草がとても好きで・・・
君の隣にいると、とても落ち着くのに、君と
上手くしゃべれない。
君のそばにもっといたい・・・
君とこうして同じ空を見てみたい
そう。。願っていたら
空から、一粒の雨が降って来て
「雨だね、いつもここに来ているよね」
君のその一言が、とても嬉しくて
笑顔で言うその姿に
鳴り止まない鼓動、どうか君には聞こえないで―・・・
と、何度も自分に言い聞かせながら
去って行く君を、見る事しか出来なかった。
立ち去る君の腕を掴むと
「明日も逢える?」
僕の言葉に笑顔で君が答えて
少しだけ君に近づけたかと思い、
降りしきる雨が、まるで
僕に勇気をくれたと
そう、思った。