「貴艦には第1軍の旗艦になってもらう」
「了解しましたっ」
あれから3日。俺は150隻の巡洋艦と駆逐艦を率いて月の静止軌道に到達した。月は地球軍の勢力下であった。
「艦長、地球軍の艦隊が月の『涙の海』から発進しました」
「分かった。全艦に第1種警戒態勢を発令しろっ」
「了解っ」
「敵艦隊の進路、速度を計算にいれると恐らく月のリステンシアで戦闘にはいると思われますっ」
「リステンシアか…近くにマスドライバーと軌道港があったな?」
「はい、あります」
「マスドライバーだけはヤバい…宇宙を敵に回すことになるからな」
「心得ています」
「それなら平気だな」
艦隊は輪型陣から散開を開始した。敵艦隊との距離は3000km…後数分で主砲の射程圏内だ。
「陽電子加速砲及び荷電粒子加速砲の充電を開始しろっ、出力は10のマイナス29乗に設定。」
「了解っ!」
「敵艦隊より大型対艦ミサイルを確認っ」
「CIWSを起動しろっ、艦に近付けさせるな」
「陽電子加速砲及び荷電粒子加速砲の充電完了っ」
「射撃を開始しろっ、一斉射後は各自の判断で攻撃しろ」
キィィィン…バシュッ、バシュュン、ドォン、
「敵の砲撃を確認っ、接触まで20秒っ!!」
「回避しろっ、反撃を忘れるなよ!!」
こうしてリステンシア海海戦の火蓋が切って落とされた…
続く