その頃の僕は、付き合っている彼女と上手くいっていなかった。
メールの回数や電話代の請求書をチェックされ、「いったい誰と会っているの!」と問い詰められた。
彼女が鬱陶しかった。
そんな話をして僕が愚痴っても、あの人は顔色ひとつ変えず、ただ楽しそうに笑っているばかりだった。
「僕には年上の女性が合うんです。彼女と真剣に別れようと思うんです。」
そう言った時もあの人は、
「もぅ、いいの残ってないよ〜。今の彼女にしときなさい。」
と、笑って僕をあしらった。
このまま、あの人に中途半端な時間を過ごさせていいのかと、真剣に考え始めていた。
そんな矢先に、大幅な異動の話が出た。
あの人に会って、どうにかして助けてもらいたい気持ちはいっぱいだった。
付き合っている彼女に、二人の将来について聞かれた時、僕の未来には、あの人もいた。
情けない話、僕はあの人に、依存しきっていた。あの人のマンションまでいくと、両手いっぱいの花火を持って、あの人が出てきた。