啓吾は階段をのぼっている。その階段は、とても長い階段だった。そして、やっと階段を登りきった。
「!」
目の前には、10人ほどの人たちがいた。啓吾がその場から一歩踏み出すと、その人たちは一斉に啓吾に襲い掛かってきた。
「何だよこれ!」
啓吾は襲いかかってくる人をかわしながら言った。だが、啓吾は気づいた。この人たちが晶がさらってきた町の人たちということに。
「しょうがねぇ・・・」
啓吾の前に男が襲い掛かってきた。啓吾は、男が振り下ろした鉄の棒をかわして男の腹に拳を入れた。すると、男はガクッと膝を落として倒れた。啓吾は次々と襲い掛かってくる人たちを気絶させていった。すると、何処からか聞き覚えのある声が聞こえた。
『やぁ。君がココに来るとは意外だなぁ』
「・・・晶っ・・・」
啓吾は辺りを見回した。だが、何処にも晶の姿は無かった。
「何処にいる!晶!!」
啓吾は大声で言った。すると、晶が鼻で笑った音がした。
『いいよ。教えてあげるよ・・・』
『キミの下だよ』
その言葉が聞こえた瞬間、啓吾の足がついている床に丸い穴が開いた。その穴の中に啓吾は落ちていった。